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物流アウトソーシングとは?出荷作業などメリット・デメリットを紹介!
物流の重要性は、EC業界を中心に高まっており、今後も拡大を続けることが予想できます。そのような中、事業拡大を続けている企業では自社物流に悩みを感じていることも意外に多く、その時に検討するのが、物流のアウトソーシングになります。
今回は物流アウトソーシングにおける課題やメリットからデメリットまで紹介しています。
目次
物流のアウトソーシングとは
物流アウトソーシングとは、物流業務の「外部委託」を指す言葉です。自社内で物流を行なっていると、物流業務量が増えた時などに様々な課題が生じます。その解決を目指すために物流を外部委託することを物流アウトソーシングといいます。※一般的には荷主に対して物流改善を提案し包括して物流業務を受託、遂行することを3PL(サードパーティロジスティクス)といいます。
物流のアウトソーシングを検討すべき課題・きっかけ
現在は自社で物流業務を行なっており、なんとなく課題や問題を感じているという声は多くの会社で存在しています。しかし具体的にいつ、どのようなきっかけで外部委託を検討すれば良いかわからないという声もあわせてよくお聞きします。
そこで、物流業務をアウトソーシングをすべききっかけや課題をご紹介していきます。
誤出荷などのミスが多い
自社で物流業務を行なっていると、誤出荷などのミスが起きやすい傾向にあります。特に繁忙期など、出荷の波動が起きたタイミングなどは、出荷作業の精度が下がり、誤出荷が起こりがちです。
誤出荷の内容としては、例えば下記のようなものがあります。
◯ 数量ミス
◯ 商品ピッキングミス
◯ 発送漏れ
◯ 納品書入れ間違い
これらの誤出荷は、下記のようなトラブルや問題に繋がり、事業成長を妨げる原因になりかねません。誤出荷などのミスが起きている会社は、物流アウトソーシングを早期に検討すべきでしょう。
誤出荷などのミスはトラブルや問題に!
- ◯ 在庫差異の発生:機会損失の発生やキャッシュフローの悪化、作業効率の低下に繋がります
- ◯ 無駄な配送コストの発生:再度正しい商品を手配するコストや、その配送費、また間違った商品の返送費など無駄なコストが発生します
- ◯ 個人情報の流出:中身の入れ間違え(領収書、発送伝票)による個人情報の漏洩などが起こります
- ◯ お客様からの信頼低下:上記の問題がお客様からの信頼悪化に繋がります
繁忙期などの出荷の波動が起きた時に対応できない
繁忙期やイレギュラーの大口受注などによる、出荷の波動は年間を通して不定期に何度か起きます。そのようなタイミングで物流業務に対応するには、多くのコストがかかり、問題なく対応するのは簡単ではありません。
出荷の波動時に起きる問題には、例えば下記のようなものがあります。これらの問題を抱える会社は、物流アウトソーシングを検討すべきでしょう。
出荷の波動時に起きる問題
- ◯ 出荷梱包作業員ではまかなえず、派遣スタッフ費用などで人件費コストが上がる
- ◯ 残業や休日出勤で労務管理が難しく、コストも上がる
- ◯ 出荷梱包作業員の求人採用をしても集めづらい
- ◯ ノウハウも不足しており作業効率が悪い
在庫スペースが足りない
自社のオフィスや貸し倉庫を契約している会社では、事業成長に伴う商品数やSKU数、生産数の拡大フェーズに入ったタイミングで、在庫スペース不足の問題が発生します。これらの問題を抱える会社は、物流アウトソーシングを検討すべきでしょう。
輸入化粧品の日本語表示ラベル貼りや検品をしたい
輸入化粧品は、化粧品製造許可を取得している会社でなければ、日本語表示のラベル貼りなど化粧品製造業務を自社でできません。物流会社の中には化粧品製造許可を取得している会社もあるので、そのような会社へのアウトソーシングを検討しましょう。
化粧品製造許可が必要な化粧品製造業務
- ◯ 日本語表記のラベル発行と貼り付け・貼り替え
- ◯ 化粧箱への詰め替え
- ◯ 添付文章の封入
- ◯ロット管理
新たにECサイトでの販売を始めたいが、どうしてよいかわからない
これまで小売業者に製品を卸したB2B2Cビジネスがメインだったが、新たにECサイトを構築しB2Cビジネスをスタートする会社は非常に増えています。しかしこれまでECサイトを立ち上げたことがない会社では、物流に関して何をどうすればよいかわからないものです。そんな場合も物流業務のサポートはもちろん、ECサイトのノウハウ提供までしてくれる物流会社がありますので、そのような会社へのアウトソーシングを検討しましょう。
初めてECサイトを始める時の物流のよくあるお悩み
- ◯ 配送会社とのつながりがなく送り状の出し方も分からない
- ◯ 出荷・梱包のノウハウがない
- ◯ 人員体制やスペースにも不安がある
- ◯ どこの物流会社に頼んでよいかも分からない
在庫の差異が多い
自社で物流業務を行なっていると、在庫の差異をゼロにすることは簡単ではありません。しかし在庫差異の発生は、下記のような事業成長を妨げる原因になりかねません。
・機会損失の発生
・キャッシュフローの悪化
・作業効率の低下
在庫の差異が発生するケースとしては、下記のような場合があります。これらの問題を抱える会社は、物流アウトソーシングを検討すべきでしょう。。
在庫の差異が発生するケース
- ◯ EC販売サイトが増えて、在庫管理がややこしく、難しくなってきた
- ◯ 受注数が増えて、誤出荷が多くなり在庫差異の原因が増えている
- ◯ アイテム数が増えすぎて、ロケーション管理が煩雑になってきた
出荷作業など物流業務に追われ、コア業務に時間を当てることができない
自社で物流業務を行なっている会社では、本来コア業務へ当てなければ行けない時間を物流業務に当てることになってしまい、下記のようなお悩みをよくお聞きします。コア業務への集中で事業成長したい会社は、物流アウトソーシングを検討すべきでしょう。
物流業務に追われる会社のよくあるお悩み
- ◯ 広告宣伝営業に集中ができず、売上を伸ばせていない
- ◯ 人員を追加採用するほどではなく、自社でやるしかない状況になっている
物流アウトソーシングのメリット
近年物流改革や物流DXなど、物流をアウトソーシングする会社も増えました。例えば、初めてECサイトを立ち上げB2Cビジネスをスタートする会社などが該当しますが、どのようなメリットがあり、外部委託に至るのでしょうか?物流アウトソーシングのメリットを3つご紹介します。
物流品質の向上(出荷作業、在庫管理など)
出荷作業や在庫管理、梱包など物流の品質はお客様の満足度や信頼に直接的に影響します。継続的にお客様との取引を継続するためにも、物流品質の担保が必要です。そこで物流のプロフェッショナルである物流会社にアウトソーシングすることで品質向上にもつなげましょう。
そして品質が向上するポイントは2つに分けられますので、それぞれご紹介します。
POINT
精度の高い『在庫管理』の徹底
実施施策の一例
- ◯ システム化による入出荷作業時のバーコード検品を実施
- ◯ 洗練されたロケーション管理(在庫の棚番設定)
- ◯ クラウドシステムによる情報の一元管理
- ◯ 多様な棚卸方法(日時、月次、決算、循環)
POINT
精度の高い、柔軟性の高い『出荷作業』
物流業務に追われる会社のよくあるお悩み
- ◯ システム化による入出荷作業時のバーコード検品を実施
- ◯ 洗練されたロケーション管理(在庫の棚番設定)
- ◯ 商品ごとの梱包マニュアルの作成
コスト削減(人件費、保管費、梱包資材費など)
物流アウトソーシングの導入は、コスト削減にもつながります。自社で物流業務を行なっていると、専任スタッフの採用や設備投資などで決して安くないコストがかかってしまいます。その上、繁忙期やイレギュラーの大口受注などによる出荷の波動時は対応できなくなったり、反対に閑散期にはリソースが余ることもあります。
具体的に削減できるコストとしては、下記のようなものがあります。
人件費
- ◯ 自社での出荷作業にあたる人員・スタッフの削減
- ◯ 自社での教育コストや採用コストの削減
- ◯ 繁忙期の人材採用(パート・派遣)などによる無駄な管理やコストの削減
保管費
- ◯ 倉庫の固定費や管理費などの削減
梱包資材費
- ◯ 梱包が必要な資材費の削減
さらに下記のような2つのポイントもコスト削減につながる物流アウトソーシングの大きなメリットでしょう。
POINT
固定費から実績に合わせた変動費での請求となり無駄がない
POINT
商品や出荷特性などに合わせた施策で、コストパフォーマンスをアップ
機会損失の防止(繁忙期・閑散期でも柔軟に対応が可能)
繁忙期やイレギュラーの大口受注などによる、出荷の波動は年間を通して不定期に何度か起きますが、対応するためには普段より多い人材確保が必要です。しかし突然の波動の場合、求人採用しても集めづらく、最悪の場合対応できないこともあります。また人材を確保できたとしても通常よりコストが上がる場合もあります。
そこでアウトソーシングすることで機会損失を防ぐだけでなく、事業の成長・売上拡大につなげましょう。
POINT
機会損失の防止はもちろん、ビジネス・事業成長に貢献
物流アウトソーシングのデメリット
次に物流アウトソーシングすることによるデメリットについても解説します。メリットだけではなく、デメリットも把握した上で検討することをおすすめいたします。
細かい対応や柔軟な対応ができない場合がある
物流会社の中にはコスト重視でパッケージ化されたサービスのみを提供する会社もあります。そのような会社の場合、細やかな対応や柔軟な対応ができない場合もあります。アウトソーシングは導入したものの、当初の課題解決や目的達成につながらない場合もありますので、事前に会社の特性を把握しておくことが重要です。
物流会社の選定が難しい
いざ物流アウトソーシングを決断しても、物流会社は様々です。あらゆることを川上から川下までワンストップで行ってくれる会社もあれば、パッケージ化された安価なサービスを提供する会社もあれば、・・・・など特徴は様々です。そこで、次項「物流会社の選定で重要な基準とステップ」を事前に読んで、依頼する物流会社を検討することをおすすめします。
ノウハウが蓄積できない
自社で物流業務に携わらなくなるので社内にノウハウが蓄積できません。ビジネスを縮小する場合や、新規事業でスモールな規模でスタートする場合など、自社での物流業務を行うとなった時の対応が難しくなります。
物流会社の選定で重要な基準とステップ
物流アウトソーシングを初めて検討される会社は、何をどのような基準で・どのようなステップで選定していくかわからないという声やお悩みをよくお聞きします。そこでそんな方に向けて物流会社選定で大切なポイントをお伝えします。
コストだけで決めない
コストだけで物流会社を選定してしまうと、当初の課題解決や目的達成につながらない場合がよくあります。それが一番コストの無駄遣いになるので、そうならないようにも様々な要件を複合的に確認することが重要になります。
検討すべき要件
エリア / 取引実績 / 倉庫環境 / 料金体系 / システム / サービス内容 / スタッフの様子 / サポート体制(繁忙期、トラブル対応) / 提案力
現在の物流に関する課題を整理する
物流アウトソーシングを検討する上で、事前に物流の課題を整理することがとても重要になります。当たり前ですが、アウトソーシングする目的は、課題解決や成果につなげるためです。ここが明確でなければ、物流アウトソーシングの費用対効果も検証できませんし、最悪の場合コストが無駄になることもあります。
課題を把握するだけでなく、下記の項目も洗い出ししておくと、さらにスムーズに検討を進めることができます。
- ◯ 月間の出荷件数
- ◯ 必要なスペース
- ◯ 商品特性、サイズ、重量など
- ◯ 選定する上での基準と優先する項目
物流アウトソーシング検討中の会社の特徴を把握する
前述の「現在の物流に関する課題を整理する」ができた時点で、その課題を解決できるサービスを提供している会社なのか、つまり物流サービスが自社のニーズに合っているかを確認しましょう。Webサイトだけでなく、実際にお問い合わせして担当者の話を聞くとイメージが広がりやすくなります。
業界・業種に特化した専門的な物流サービス
物流会社の中には、扱う商材ごとに特化した物流サービスがあることをご存知でしょうか?例えば、化粧品やコスメ商品を取り扱うことに特化した化粧品物流などがあります。そのほかにも様々な業界・業種に特化した専門的な物流サービスがありますので、物流会社選定の際に参考にしてください。
化粧品物流・コスメ物流
化粧品やコスメ商品は、商材の特性としてとてもデリケートなものになります。だからこそ、化粧品製造業許可(包装・表示・保管)の取得が必要となり、それを取得した倉庫での作業が必要となります。それにより、化粧品の入出荷、在庫管理、検品などの作業が可能になります。
さらに輸入化粧品への日本語表示ラベルの貼付や、セット商品加工などの作業も倉庫内で行うことができるようになります。
アパレル物流・ファッション物流
アパレル物流は、各商品にカラーやサイズ展開が豊富にあることが特徴です。そのためSKUが多くなり、管理が複雑になる傾向があります。また、季節波動が激しいことも業界の特徴です。
食品物流
食品は、商材の特性としてとてもデリケートなものになります。商材の常温・冷蔵・冷凍の温度調整による管理など、適切な設備と管理体制、温度帯に適応した輸配送ネットワークが必要となります。
家具物流・インテリア物流
家具やインテリア用品は、取り扱う商材の特性上、商品のサイズや重量、納品先の情報(階数など)、開梱や組立設置、といった特殊なサービスが必要となることがあります。
医療機器物流・メディカル物流
医療機器・メディカル用品は、商材の特性としてとてもデリケートなものになります。だからこそ専門の許可倉庫(医療機器製造業許可書、高度管理医療機器販売業許可書・貸与業許可書の取得倉庫)のみで対応できます。
主な業務内容は、医療機器の製造サポートから各種試験・クリーンルームでの製造作業(医療機器の組立包装等)、包装表示などの製造作業、滅菌サポート、在庫管理・保管、倉庫・配送センター運営など医療機器メーカー様から業務受託します。
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